ロシアンブルー凶暴化からの回復!ロミオパパの体験談【動画あり】

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猫凶暴化の体験談が寄せられました。

今回は嬉しい報告です。

もちろん寄稿主さん、そしてご家族さん、関係者の方は、とても苦しい思いをされました。

実際に猫の凶暴化に直面すると、本当に苦しく辛く悲しく恐ろしく、そして精神面のみならず実際に肉体的にもすり減ります、生活に支障が出ます。

しかしそれでも、そんな大変な思いをしても、猫ちゃんが回復した。

元通りの、元通りとまではいかなくても、近い生活を取り戻すことができたというのは、嬉しいことですね。

今回、そういった嬉しい報告を皆さんにお届けすることができて、嬉しいです。

このレポートが、ここを読んでくれている、今まさに猫の凶暴化で苦しんでいるあなたの救いの光になればと願って病みません。

ロミオパパさんが寄稿してくださった、猫凶暴化の体験談をお届けいたします。


 

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愛猫プロフィールと凶暴化の際の環境

ロシアンブルーのロミオ雄5歳

名前:ロミオ

猫種:ロシアンブルー

発症時の年齢:5歳

性別:雄(去勢済み)

住環境:私、娘、ロミオ、ウサギ

マンション暮らし

 

ロミオの性格:若干神経質で人見知り

小さい時には宅急便の方、ピザ宅配員の方にも積極的に興味を持って姿を現していたが、2歳位になるとピンポンの音でベッドに隠れるようになりました。

普段は飼い主にはベタベタ、良く甘える。大体ヘソ天で寝そべっています。

出張時にはペットシッターさんを活用していますが、発症前まではシッターさんに好意丸出しで良く甘えていました。

 

凶暴化のきっかけ:生活環境の変化

私のパートナーがロミオの転嫁性攻撃発症の半年前より子猫(去勢済みの雌)を飼い始めました。

私は自宅とパートナー宅を行き来する生活で、子猫ちゃんとの接点はそれなりに多くなりました。

私の帰宅時にはロミオが出迎えてくれ軽い匂いチェックがありますが、当初は特に問題行動は見られませんでした。

もちろん子猫ちゃんの匂い、抜け毛などがあったと思いますが、ロミオに特段変化は表面上確認できませんでした。

 

最初の威嚇行動

ある時パートナーと私が家に帰った際、ロミオがいつもの様にひょっこり現れ、パートナー足元の匂いを嗅いだ途端にダッシュでリビングに走って行きました。

「あれ? どうしたんだろう?」

とロミオを探しにリビングに向かうと、ソファと植木の間に身体を潜め、そしていつになく激しく威嚇するロミオを発見。

身を低くかがめ、低い声でうなり声をあげ、近づこうとすると身を乗り出しシャーと威嚇。

興奮している間は涎が出る様で、口をくちゃくちゃ鳴らしていました。

凶暴化し威嚇するロシアンブルーのロミオ

それまで威嚇行動は殆ど見られず、少々神経質ながらも怒り・攻撃とは全く無縁な猫ちゃんだと思っていました。

恐怖を感じる程の威嚇を繰り返すロミオを初めて見ましたが、その時には「ロミオも野生の血が騒ぐのかな、むしろ野生っぽい部分を見られてラッキー」等と、すこぶる楽観的な気持ちでした。

頭の片隅にも「転嫁性攻撃症候群」などと言うワードは存在していませんでした。

そしてパートナーが帰り、暫くするといつものロミオに戻るのです。

 

2回目の威嚇行動

次にパートナーが来た際にも激しく威嚇行動。

なるべく目を合わせないように、また刺激しない様にしていたが、ロミオは警戒しながら寝室ベッドの下に隠れて出てこなくなりました。

そして、パートナーが帰るといつものロミオに戻るのです。

 

3回目の威嚇行動

パートナーが来た際に威嚇行動。

すかさずロミオはベッド下に隠れました。

パートナー帰宅後にはいつものロミオになりました。

そして、、、その日の夜、状況が一変しました。

それまでゴロゴロ甘えていたロミオとチラッと目が合うと、ロミオの表情は一気に曇り、私に対して突如威嚇行動を見せたのです。

 


 

パートナーが居る時にしか威嚇行動は無いと思っていたが、まさか私自身単体で威嚇された事にショック、悲しみ、辛さ、そして只ならぬ恐怖と不安を感じました。

「あれ? ひょっとして、ただ事ではないのでは!?」

と心配になり取り急ぎネットで調べ始めました。

ただ転嫁性攻撃には辿り着かず、シッターさんに相談してみる事に。

ロミオの威嚇攻撃動画を送った所、「転嫁性攻撃かもしれない。断定はできないけど、専門の先生にかかった方が良いと思う」とアドバイスをもらいました。

またすぐにできる対処法として、フェリウェイの紹介を受けました。

正直、転嫁性攻撃って何のことやら!? と言うレベル。

まさかロミオに限ってそんな事はないだろう、、、単にパートナーと気が合わないだけでは?、、、と現実を受け止められませんでした。

 

4回目以降 ― 攻撃範囲の拡大・症状の悪化

私とパートナーに威嚇行動を始めて4日後、恐れていた事が起きました。

ロミオの攻撃対象が娘にも広がったのです。

ロミオは常に私と娘から一定の距離を取り、また常にジトっとした目でこちらを見て警戒するそぶり。

まるで監視をしている様な目つき。

そして、ある一定の距離になると威嚇行動に移るのです。

また、名前を呼ぶとやはり威嚇。

更には娘との会話の中に「ロミオ」と名前が出るだけで威嚇。

まるで五感を研ぎ澄ましてこちらを監視している様で、とにかく辛く・苦しい。

それでも娘を心配させてはいけないと表面上では楽観的に振舞っていたが、そんな強がりは一切通用しない日常生活となってしまいました。

家のどこに居ても、ロミオが何処にいるのか? 娘が威嚇されていないか? 娘の心が大丈夫か? と一切安心できない状態になりました。

幸いにも娘は気丈で、「ロミオ」と呼ばず、目が三角に見える事からロミオの事を「サンカック」と呼ぶ様に工夫する提案をしてくれました。

これはロミオのストレスを低下させたと思いますし、そして何より私のストレス・不安レベルを和らげてくれました。

ロミオは就寝時には私と一緒にベッドで寝る習慣で、不思議な事にそれは威嚇行動が始まっても変わりませんでした。

私が床に着くとトコトコ歩いてきて私の足元で丸くなりそして朝まで一緒に眠るのです。

朝起きる時にはこれまた不思議な事にいつものルーチンで、ゴロゴロと喉を鳴らし、そして私の胸の上に乗りフミフミします。

「ご飯食べる?」と聞くと、優しい声でニャー。

ひょっとして症状は治まったのでは? いつものロミオに戻ったのでは? と淡い小さい希望を抱くのですが、、、ロミオがご飯を食べ終わる頃にはその希望は儚く消え去る事に。

監視・威嚇行動が始まります。

 

そして、毎日ロミオに怯えながら発症から一週間を迎えました。

私たちの心身状態は極めて悪く、とにかく不安・心配・絶望感で一杯でした。

いよいよ自分だけでは抱えきれないと、藁にもすがる思いでネットで拝見したサムクリニックに相談・カウンセリングを受ける事にしました。

 

カウンセリングによる光明

クリニックの先生はとても経験豊富で、「家族構成・生活リズム・家の間取り・ロミオの性格・飼育環境・威嚇トリガー・威嚇場所」など詳細な情報を分析し今後の対処・療養方法に関してアドバイスを貰えました。

トリガーは「パートナーが飼い始めた猫ちゃんであるであろう。パートナーが家に来た際に、見知らぬ猫ちゃんの匂いはするが姿は見えない。またその匂いが少し強烈だったと思われ、ロミオは一気にパニックに。そしてやり場のない恐怖・怒りなどのネガティブな感情をその場に居合わせたパートナーに転嫁したのだろう。」と。

ただこれはあくまでも仮説であり、最終的な判断はロミオが回復した時に明らかになるだろうと、診断を受けました。

正直、猫ちゃんの心に焦点を当てたクリニックに対して半信半疑であったのは事実です。

しかし、先生の真摯な対応、適切的確なアドバイスに本当に救われました。

 

猫凶暴化の対処療法はまず隔離

サムクリニックの先生との問診の中で、とにかく今すぐに隔離する事が最重要。

ロミオはとにかく不安・混乱・恐怖に怯えパニック状態にあり、その原因(実際には転嫁しているが)が生活を共にしているのは状況を悪化させるだけだ、と。

飼い主の目線からは「一人にして可哀そう」と思われるかもしれないが、猫ちゃん視点では全く逆で「ストレスが減る」、とアドバイスを受け書斎を隔離部屋にする事にしました。

書斎にトイレ、ロミオが好きなおもちゃ、お水、ご飯皿を置き、先に購入していたFeliwayをセット。

ロミオをチュールで書斎におびき寄せ隔離開始。

先生からはできる限りロミオとの接点を無くす様にアドバイスを受けました。

扉を閉めて暫くするとロミオの悲しげな声が聞こえました。

しかも中々泣き止みません。

これには心が折れそうになったが、「もっと辛いのはロミオだ」とグッと堪えました。

なお隔離解除の目安ですが、それは今後のロミオの状態で変わるが大体1~2週間程度と話されました。

 

隔離生活前半(隔離初日~隔離6日)

ロミオは朝5時位に起きます。

すると大体5時~6時位まで悲しい声で鳴き、そして扉を前足でガリガリ始めます。

6時に朝ご飯。扉を開けるとロミオがすかさず出てきて足元でスリスリ甘えてきました。

思わず撫でたい、声を掛けたい衝動に駆られるが、ロミオと目を合わせず、声を掛けず刺激を最小限にする様に心がけました。

手短にトイレ掃除、お水交換、ご飯をあげて扉を閉める。

ロミオはご飯が終わると「アオーンアオーン」、と悲しげな声を暫くあげていました。

18時に晩御飯。

扉を開けると朝同様足元でスリスリ甘えてきました。

朝のルーチン同様接触は最小限に留め扉を閉める。

ロミオは「アオーンアオーン」と暫く泣き続けます。

その時の正直な気持ちは、、、

「隔離が本当に効果なんてあるんだろうか? ロミオはむしろ寂しくて不安で仕方ないのでは?」と思っていました。

ただ経験ある先生のアドバイスに従う以外の選択肢は存在せず、、、やはり不安・心配・絶望感一杯でスタートした隔離生活でありました。

 

隔離中のロミオがどうしても気になり、使っていなかったペットカメラを書斎にセットしました。

セットすればしたでロミオが気になって仕事が手に着かなくなる懸念はありましたが、それ以上に隔離中のロミオの様子を確認す事で何等か状況好転の転機を見つけたい一心でありました。

案の定、正直仕事中に何度も何度もペットカメラでロミオの様子を確認していましたが、ロミオは落ち着かない様子でした。

基本ごく短時間の接点だが、先生からのアドバイス(拮抗条件付け:飼い主にとって良い事をしたらおやつをあげて、記憶の上書き活動)を実施しました。

例えば、すり寄ってきたらチュール、甘えるそぶりを見せたらチュール、といった具合です。基本は毎日このルーチン。

 

隔離して分かった事ですが、気持ちが本当に楽になった・・・。

ロミオには申し訳ないのですが、隔離によって私と娘は平穏を取り戻す事ができました。

朝起きて夜寝るまで常に監視され、時に激しい威嚇行動を取られる日常は気が休まる事がありませんでした。

そのストレス・不安から解放されるという事は私たちにとって大きな心の余裕を生んでくれたのは間違いありません。

もちろん、ロミオが居ない寂しさ、将来の不安・心配はなくなることはありませんでした。

きっとロミオも同じ気持ち(安堵と寂しさ)だったのではと思います。

 

隔離生活後半(隔離7日~隔離13日)

先生のアドバイスに従い、声掛け、少しだけ目を合わせる事を始めました。

「ロミオ」と声を掛けると甘えた声で返事をする。ロミオは大分落ち着いた様子に見え、接触時間も5分-10分まで伸ばしました。

最終的にはトイレ掃除する私の背中に乗ってきたり、またブラッシングをせがんだり、おもちゃを持ってきて遊びをせがんだり、抱っこをせがんだり、顔つきも殆ど発症前と何ら変わらない様に見えました。

正直もう大丈夫だろう、隔離終了しても大丈夫ではないか? とはやる気持ちが大きかったです。

しかし、元の木阿弥になりたくない、何よりロミオを完全に治してあげたい、その一心でそのはやる気持ちを抑えました。

最終的には30分程度隔離部屋に滞在する事ができるようになり、隔離13日目に先生と再度カウンセリング実施しました。

最終的な完治判定は「一番最初に発症した同じ状況で問題無い事を確認する」だが、もう隔離終了でOK。

注意点としてはあまりベタベタし過ぎない事で、その他は発症前の接し方で構わないとの事でした。

大きな安堵感と共にやはり心配はありましたが、それでも嬉しい気持ちで一杯でした。

 

隔離終了:猫凶暴化の終わり

ドアを開放するとロミオはトコトコ出てきて、私の足元にスリスリ、興奮するわけでもなく落ち着いた様子でその後は部屋のパトロール、そしてお気に入りのソファで香箱座り。

その後は床でヘソ天を披露するなどリラックスした顔で平穏を取り戻しているように見えました。警戒する顔付き、ジトっとした目線、一切無くなり優しい穏やかな顔つきに戻りました。

家族は隔離後3日もするといつもの日常に戻りました。

一か月ほどはパートナーと会う事は避けましたが、その後完治サインである発症時と同じ状況をあえて作りパートナーとも再会を無事に果たしました。

 

猫凶暴化、その後

攻撃発症から約10か月が過ぎました。

ロミオは完全に元通りになりました。

私達の生活も元通りになりました。

一体何だったんだろう、、、あの苦しく辛い時期はと? とロミオに聞いてみたりします。

むろん返事はありませんが、一緒に頑張った絆を感じざるを得ません。

ロミオと朝一緒に目覚め、ご飯食べて、遊んで、ゴロゴロして、夜一緒に眠る。

そして当たり前の日常を一緒に過ごせる事を幸せに感じます。

文字にすると極めて普通の事ではあるが、普通の日常生活の生活が如何に奇跡の上に成り立っている事かという事をヒシヒシと感じます。

 

ひょっとして今後また発症するのでは? との不安は正直頭の片隅にありますが、今回の経験から学びが沢山あり、また何よりロミオをより一層大事に愛します。

転嫁性攻撃症候群はあくまでも偶発的な出来事で、そのきっかけ・トリガーはコントロールする事はできません。

肝心な事は発症したその後の行動だと思いました。

数少ないとは言え、少なからずいらっしゃる不条理極まりない転嫁性攻撃症候群に苦しまれる方々にとってこの経験談が一助になれば幸いです。

 

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